日高草(ヒダカソウ) 夏の花 2011年06月21日 日高草(ヒダカソウ)はキンポウゲ科キタダケソウ属の多年草である。北海道の固有種である。北海道日高地方のアポイ岳とその周辺だけに分布し、高山帯の蛇紋岩地や凝灰岩地に生える。「氷河期の生き残り」と言われている。環境省のレッドデータブック(2007)では、「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」である絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。アポイ岳は固有種などが多いことで知られる貴重な山だが、温暖化の影響などでハイマツが優勢になり、お花畑の縮小化が進んでいるため保護対策が求められているという。草丈は10~20センチくらいである。葉は2回3出複葉である。3出複葉というのは、1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形を指す。それが2回枝分かれを繰り返す。小葉はさらに細かく裂ける。自生地での開花時期は5~6月である。葉に先立って、花径2センチくらいの白い花を咲かせる。花びらは10枚くらいあり、花びらの根元近くには赤褐色の斑紋がある。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Callianthemum はギリシャ語の「 callos(美)+anthemon(花)」からきている。種小名の miyabeanum は北海道の植物研究者「宮部金吾さんの」という意味である。写真は3月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Callianthemum miyabeanum★生き残り太古のロマン語り継ぐ 日高草をば守り伝えん花図鑑植物図鑑PR