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小紫(コムラサキ)

小紫(コムラサキ)

小紫(コムラサキ)はクマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木である。
別名を小式部(コシキブ)ともいう。
いずれも「紫式部」にちなむ名である。
本州の岩手県から沖縄にかけて分布し、山地や湿地に生える。
また、庭木ともする。
海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。
園芸的には紫式部の名で流通することもあるが、植物上の紫式部(ムラサキシキブ)は別種である。
和名の由来は、秋に小さな紫色の実をつけるところからきている。
樹高は2~3メートルである。
葉は楕円形で、向かい合って生える(対生)。
葉の縁には、先のほうの半分くらいに細かなぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は6~8月である。
葉の脇に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、淡い紫色の小さな花をたくさんつける。
花は筒状で先が4つに裂けて平らに開く。
雄しべは4本、雌しべは1本で、花冠から飛び出る。
紫式部(ムラサキシキブ)に比べると、花も実も葉の柄のつけ根から少し離れた位置から出る。
花の後にできる実は核果(水分を多く含み中に種が1つある)である。
結実期は9~11月である。
直径3ミリくらいの紫色の実をつける。
実は紫式部(ムラサキシキブ)よりも小振りだが、鞠のように固まってつく。
実の色が白いものもあり、白玉小式部(シラタマコシキブ)ないし白実の小紫(シロミノコムラサキ)と呼ばれる。
属名の Callicarpa はギリシャ語の「callos(美しい)+carpos(果実)」からきている。実が美しく熟すからことから名づけられたものである。
種小名の dichotoma は「二股になった」という意味である。
写真は6月に小石川植物園で撮った。
実の写真は10月に小石川植物園で撮った。
学名:Callicarpa dichotoma


★紫の珠と実らんいつの日か
 揺れる小花は陽射しを浴びて


小紫(コムラサキ)

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