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泰平(タイヘイ)



梅(ウメ)バラ科サクラ属の落葉小高木である。
中国原産で、日本へは古代に渡来した。
泰平(タイヘイ)は梅(ウメ)の栽培品種の1つである。
樹高は3メートルから6メートルくらいである。
葉は楕円形で、互い違いに生える(互生)。
開花時期は2月から3月である。
葉の展開に先立って花を咲かせる。
豊後系・豊後性の白い一重咲きの中輪(20から25ミリ)である。
実梅の1つで、白加賀(シロカガ)の受粉樹として適している。
属名の Prunus は「plum(スモモ)」を意味する。
種小名の mume は「梅」のことである。
写真は3月に水戸市の偕楽園で撮った。
学名:Prunus mume 'Taihei'

★泰平の由来はいかに素朴なる
 花の姿に思い重ねて




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アラビス・スノーキャップ



アラビス・カウカシカはアブラナ科ヤマハタザオ属(アラビス属)の多年草である。
アラビス属は世界に180種くらいが分布する。
日本にも山旗竿(ヤマハタザオ)などが分布し、属名の和名はヤマハタザオ属という。
なお、属名の和名はハタザオ属とするものもある。
本種の原種は和名を庭旗竿(ニワハタザオ)とするものもある。
原産地は南ヨーロッパや地中海沿岸地方である。
スノーキャップ(Snowcap)はその園芸品種である。
草丈は20~30センチである。
茎は地面を這う。
根際から生える葉は幅の広い楕円形で、灰色を帯びる。
開花時期は3月から5月くらいである。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、白い4弁花を咲かせる。
雄しべは6本、雌しべは1本である。
花の後にできる実は長角果(アブラナなどの果実で細長いもの)である。
属名の Arabis は国名の「Arabia(アラビア)」からきている。
種小名の caucasica は「コーカサス地方の」という意味である。
園芸品種名の Snowcap は「冠雪」という意味である。
写真は3月にJAあゆみ野安行園芸センターで撮った。
学名:Arabis caucasica 'Snowcap'

★アブラナの仲間と聞いてなるほどな
 花の姿はどこか見慣れて




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高野水木(コウヤミズキ)



高野水木(コウヤミズキ)はマンサク科トサミズキ属(コリロプシス属)の落葉低木である。
コリロプシス属は東アジアを中心に30種くらいが分布する。
本種は本州の中部地方から九州にかけて分布し、蛇紋岩地の岩場に生える。
海外では朝鮮半島にも分布する。
和名の由来は高野山が発見地の1つであることからきている。
別名を深山土佐水木(ミヤマトサミズキ)という。
環境省のレッドリストには登録されていないが、多くの府県で絶滅危惧種に指定されている。
樹高は2~5メートルくらいである。
葉は卵円形ない円形で、互い違いに生える(互生)。
葉には柄があってつけ根は心形である。
葉の縁には先が芒(のぎ:イネなどの小穂に見られる針のような棘)状になった浅いぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の表面には毛はなく、裏面には白くて長い毛が疎らに生える。
開花時期は3~4月である。
葉の展開に先立って花を咲かせる。
枝先に穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、垂れ下がるように花をつける。
花序の軸や萼に毛は生えていない。
花序は長さが3センチから4センチあり、花の色は淡い黄色である。
花弁は5枚、萼片も5枚である。
雄しべは花弁と同じくらいかそれよりも長い。
裂開する前の葯(雄しべの花粉を入れる袋)は暗い紅紫色をしている。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
属名の Corylopsis はギリシャ語の「Corylus(ハシバミ属)+opsis(似た)」からきている。葉の形が似ていることから名づけた。
種小名の gotoana は「五島列島の」という意味である。
写真は3月につくば植物園で撮った。
学名:Corylopsis gotoana

★俯いてさり気なく咲く花の芯
 仄かに赤く個性を見せて



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マキシラリア・スクンケアナ



マキシラリア・スクンケアナはラン科マキシラリア属の多年草である。
マキシラリア属はフロリダからアルゼンチンにかけて南北アメリカ大陸に400種くらい分布する着生種である。
本種の原産地はブラジル大西洋岸のエスピリトサント州(Espirito Santo)で、標高600メートルから700メートルの熱帯雨林の樹木に生える着生種である。
草丈は10センチくらいである。
葉は線形である。
開花時期は春から夏である。
花径1センチくらいの小さな花をつける。
花の色は暗い紅紫色で、黒っぽく見える。
属名の Maxillaria はラテン語の「maxilla(顎の骨)」からきている。ずい柱と唇弁の形が口をひらいた昆虫の形に似ていることから名づけられた。
種小名の schunkeana は「シュンケ(Schunke)さんの」という意味だが、人物像にはまだたどりつけていない。
写真は12月に夢の島熱帯植物館で撮った。
学名:Maxillaria schunkeana

★あったのか野性の森の黒い蘭
 なぜに選んだこの暗い色




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スパトグロッティス・キンバリアナ



スパトグロッティス・キンバリアナはラン科コウトウシラン属(スパトグロッティス属)の多年草である。
スパトグロッティス属はインドからオーストラリアにかけて広い範囲に45種くらいが分布する地生種である。
属名の読み方はスパソグロッティスとするものもある。
日本にも八重山諸島に紅頭紫蘭(コウトウシラン)が分布するので、属名の和名はコウトウシラン属という。
本種の原産地はフィリピンからカリマンタン島で、標高600~1500メートルの森に生える。
草丈は50~80センチくらいである。
根際から生える葉は細長い披針形(笹の葉のような形)である。
開花時期は3~4月だが、日本の温室では秋にも咲くことがあるようである。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径7センチくらいの鮮やかな黄色の花をつける。
唇弁は3つに裂けて、不思議な形をしている。
花茎はアーチ状にしなる。
属名の Spathoglottis はギリシャ語の「spatha(刀)+glossa(舌)」からきている。唇弁の裂片の形から名づけられた。
種小名の kimballiana はアメリカ人のラン愛好家「キンバル(W. S. Kimball, late 1800's)さんの」という意味である。
写真は10月につくば植物園で撮った。
学名:Spathoglottis kimballiana

★鮮やかな黄色の花が目を奪う
 なるほどこれは南国の色




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