ルドベキア・トリロバ 秋の花 2011年09月29日 ルドベキア・トリロバはキク科オオハンゴンソウ属の多年草である。種小名の読み方は「トリローバ」とするものもある。原産地は北アメリカである。和名は三葉大反魂草(ミツバオオハンゴンソウ)という。別名を大三葉反魂草(オオミツバハンゴンソウ)という。日本へは昭和時代の初期に渡来した。栽培されていたものが逸出し、北海道から沖縄にかけて野生化している。草丈は80~150センチくらいである。葉は卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。茎の下部につく葉は3つくらいに裂ける。開花時期は6~10月くらいである。枝分かれした先に1つずつ花(頭花)をつける。花の真ん中にある筒状花はこげ茶色をしている。周りにつく舌状花は8枚で、黄色ないしオレンジ色である。花径は3センチくらいである。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。日本では園芸品種のタカオ(Takao)が流通している。属名の Rudbeckia はリンネの後援者「ル-ドベック(Rudbeck)父子」の名からきている。種小名の triloba は「三片の」という意味である。写真は9月に木場公園の外来植物園で撮った。学名:Rudbeckia triloba★仲間には図太いやつもいるけれど 可憐な花は花壇に似合い花図鑑植物図鑑PR
蛍柴胡(ホタルサイコ) 秋の花 2011年09月28日 蛍柴胡(ホタルサイコ)はセリ科ミシマサイコ属の多年草である。北海道から九州にかけて分布し、山地の岩場や草地に生える。海外では、朝鮮半島、中国、シベリア東部にも分布する。草丈は50センチくらいである。根際から生える葉は長い楕円形である。茎につく葉は幅の広い披針形で、茎を抱く。開花時期は8~10月くらいである。茎先や葉の脇から複数の散形花序(たくさん枝が出て、先に1個つずつ花がつく)を組み合わせて出し、黄色い小さな花を群がってつける。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。属名の Bupleurum はギリシャ語の「bous(牡牛)+pleuron(肋骨)」からきている。葉のつき方の様子から名づけられた。種小名の longiradiatum は「放射状に長い」という意味である。変種名の elatius は「より背の高い」という意味である。写真は9月に氷見市海浜植物園で撮った。学名:Bupleurum longiradiatum var. elatius★繊細な花の姿が目を奪う 不思議なるかな蛍柴胡は花図鑑植物図鑑
姫金水引(ヒメキンミズヒキ) 秋の花 2011年09月27日 姫金水引(ヒメキンミズヒキ)はバラ科キンミズヒキ属の多年草である。北海道の南西部から鹿児島県の屋久島にかけて分布し、山地の谷沿いや林の中に生える。海外では、韓国の済州島にも分布する。草丈は40~80センチくらいである。葉は羽状複葉である。下部は5~7枚の小葉、上部は3枚の小葉で1組となる。小葉の形は楕円形で、縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は8~9月である。茎先に細長い穂状の総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、近縁種の金水引(キンミズヒキ)よりも小さな黄色い5弁花を疎らにつける。花びらも細く、雄しべの数も少ない。萼片は5枚である。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Agrimonia はギリシャ語の「argemone(アザミゲシ属)」からきている。棘が多くて似ているためだが、転用する際に綴りを間違えたという。種小名の nipponica は「日本の」という意味である。写真は8月に日光植物園で撮った。学名:Agrimonia nipponica★ほっそりと伸びた花穂にぱらぱらと 小花をつける姫金水引花図鑑植物図鑑
富士薊(フジアザミ) 秋の花 2011年09月26日 富士薊(フジアザミ)はキク科アザミ属の多年草である。日本固有種である。本州の関東地方と中部地方に分布し、山地から亜高山にかけて砂礫地や河原などに生える。フォッサマグナ要素の植物の1つである。和名の由来は、富士山の周辺に多いことからきている。日本産のアザミの中では最も大きな花をつける。草丈は60~100センチくらいである。茎の上につく葉は小さく、下へいくほど大きくなる。根際から生える葉は羽状に大きく切れ込む。どの葉にも縁には鋭い棘がたくさんある。開花時期は8~9月である。茎の上部で少しだけ枝分かれをし、先に大きな花(頭花)を下向けにつける。花の色は紅紫色で、大きなものは花径10センチにも達する。花は筒状花が集まったもので、総苞(花序全体を包む葉の変形したもの)は球形である。総苞片は反り返り、縁には棘状の毛が生える。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Cirsium はギリシャ語の「cirsos(静脈腫)」からきている。静脈腫に薬効のある植物につけられた名が転用された。種小名の purpuratum は「紅紫色の」という意味である。写真は10月に六甲高山植物園で撮った。学名:Cirsium purpuratum★富士薊大きな花を持て余し 垂れる頭(こうべ)は地面睨んで花図鑑植物図鑑
蜂蜜草(ハチミツソウ) 秋の花 2011年09月25日 蜂蜜草(ハチミツソウ)はキク科ハネミギク属の多年草である。原産地は北アメリカである。1960年代に養蜂用の蜜源植物として北海道へ導入された。1980年代から長野県などに野生化し、道ばたや草地、林の縁などに生える。現在では全国的に帰化しているが、数は少ないという。草丈は100~150センチくらいである。全草に短くて硬い毛が生える。茎は円柱形で狭い翼が5つくらいある。葉は細長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。茎の下部では向かい合って生え(対生)たり、3枚が輪のようになって生え(輪生)たりする。葉の先は尖り、縁には鈍いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉の両面に毛が生えていてざらつく。開花時期は7~10月である。茎先に散房花序(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)を出し、花径4センチくらいの黄色い頭花をたくさんつける。舌状花は3~8枚で、反り返り下を向く。花の後にできる実は扁平なそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)で翼がある。和名を羽実菊(ハネミギク)という。これは実に翼があるところからつけられた名である。属名の Verbesina は属名の「Verbena(クマツヅラ属)」の変形である。種小名の alternifolia は「互生葉の」という意味である。写真は7月に軽井沢町植物園で撮った。学名:Verbesina alternifolia★寄って来る蜂はまだかと羽実菊 蜂蜜のもとたくさんあるよ花図鑑植物図鑑