大烏瓜(オオカラスウリ) 秋の花 2012年09月17日 大烏瓜(オオカラスウリ)はウリ科カラスウリ属の蔓性多年草である。漢字では「大唐朱瓜」とも書く。紀伊半島、兵庫県、四国、九州、沖縄に分布し、林の縁や荒れ地などに生える。和歌山県、徳島県、高知県では絶滅危惧I類、兵庫県、長崎県ではII類に指定されている。海外では、台湾、中国、ベトナム、マレーシア、インドなどにも分布する。草丈は5~8メートルに達する大形の蔓性植物である。葉は心形ないし腎心形で、手のひら状に浅く5つから7つに裂け、互い違いに生える(互生)。葉の表面には短い剛毛が生える。雌雄別株である。開花時期は8~9月である。花の色は白い。花は夕方から開きはじめ、翌日の昼前には閉じる。夜咲く花は、夜行性の昆虫によって受粉する。花弁の先の糸状のものは、昆虫を呼び寄せるためだという。花の後にできる実は、直径6~7センチの円形に近い楕円形の液果(水分が多く柔らかい果皮をもつ果実)で、縞模様のある緑色から朱赤色に熟する。根は生薬でカロコンといい、利尿、解熱などの薬効がある。属名の Trichosanthes はギリシャ語の「trichos(毛)+anthos(花)」からきている。花冠の先が細かく裂けて糸状になることから名づけられた。種小名の bracteata は「苞葉のある」という意味である。写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Trichosanthes bracteata★夜にしか開かぬ花に出合えたよ 細かく縮れてレースのようだ☆闇の中白いレースの花広げ 夜の虫たち働きまわり花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
玩具南瓜(オモチャカボチャ) 果実・野菜 2012年09月16日 玩具南瓜(オモチャカボチャ)はウリ科カボチャ属の蔓性一年草である。原産地は北アメリカである。分類上は、ペポ南瓜(ペポカボチャ)の変種とされている。標準和名は飾り南瓜(カザリカボチャ)というが、玩具南瓜(オモチャカボチャ)のほうが一般的な名称になっている。直径3~10センチくらいと小型で、観賞用とされる。園芸品種がいろいろあり、色、模様、形など様々である。蔓性で、他の物に絡みついて伸びる。葉は心臓形で浅く5つに裂け、長い柄がある。開花時期は6~8月くらいである。雌雄同株で雄花と雌花がある。いずれも黄色い花である。雄花のほうが柄が長く、雌花は柄が短い。結実時期は8~9月くらいである。属名の Cucurbita はラテン語の「cucumis(ウリ)+orbis(円形)」からきている。ヒョウタンの古代ラテン名を転用したものである。種小名の pepo は「ウリの実」という意味である。変種名の ovifera は「卵のような実の」という意味である。写真は9月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Cucurbita pepo var. ovifera★姿見て思わず笑みがこぼれ出す いろんな形並べば楽し花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
鈴虫花(スズムシバナ) 秋の花 2012年09月15日 鈴虫花(スズムシバナ)はキツネノマゴ科イセハナビ属の多年草である。本州の近畿地方から九州にかけて分布し、山地の木陰などに生える。海外では、朝鮮半島や中国にも分布する。草丈は20~50センチくらいである。葉は幅の広い卵形で、向かい合って生える(対生)。葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は8~10月である。花の色は淡い紫色で筒形をしており、つけ根の部分から緩く曲がって漏斗状に開く。横向きに咲く花は、朝開き午後には散る。稀に白花も見られる。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。和名の由来は、鈴虫の鳴く季節に咲くことからきているという。属名の Strobilanthes はギリシャ語の「strobilos(球果)+anthos(花)」からきている。球果状の花序といった意味がある。種小名の oligantha は「少数花の」という意味である。写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Strobilanthes oligantha★波を打つ花びらどこか神秘的 鈴虫花の咲くを見つめて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
明日葉(アシタバ) 秋の花 2012年09月14日 明日葉(アシタバ)はセリ科シシウド属の多年草である。日本固有種である。房総半島から紀伊半島にかけての太平洋岸の暖地や伊豆七島、小笠原諸島に分布し、海岸に生える。草丈は80~120センチくらいである。葉は大きな羽状複葉で、厚く柔らかい。若葉を食用とする。和名の由来は、発育が速くて、今日摘んでも明日には新芽が出るということからきている。八丈島が主な産地ということで、八丈草(ハチジョウソウ)の別名もある。開花時期は5~10月である。クリーム色の花を傘状につける。花の後にできる実は長い楕円形の分果(複数の子房からできた果実)で、翼がある。属名の Angelica はラテン語の「angelus(天使)」からきている。この属の植物に強心剤として効果のあるものがあり、死者を蘇らせるというところから名づけられた。種小名の keiskei は明治初期の植物学者「伊藤圭介さんの」という意味である。写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Angelica keiskei★逞しく育つ明日葉見つめつつ 島の暮らしに思いを馳せて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
白蓬(シロヨモギ) 秋の花 2012年09月13日 白蓬(シロヨモギ)はキク科ヨモギ属の多年草である。北海道から本州の茨城県・新潟県にかけて分布し、日当たりのよい海岸の砂地に生える。海外では、カムチャツカ地方にも分布する。草丈は20~60センチくらいである。地下茎を長く伸ばして繁殖する。全体が綿毛で覆われていて白っぽい。葉は厚く、羽状に中裂する。開花時期は7~10月である。茎の上部に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、花径8~10ミリくらいの小さな黄色い花(頭花)をたくさんつける。頭花は筒状花だけからなり、真ん中に両性花、周りに雄花がつく。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名の Artemisia はギリシャ神話の女神「アルテミス(Artemis)」からきている。この属の植物が婦人病に効くということから名づけられた。種小名の stelleriana は18世紀のドイツの植物分類学者「ステラー(G. W. Steller)さんの」という意味である。写真は9月に北大植物園で撮った。学名:Artemisia stelleriana★全身が白い綿毛に覆われた 不思議な姿砂浜に見せ花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|