ストック 春の花 2011年01月15日 ストック(stock)はアブラナ科アラセイトウ属の一年草である。ガーデンストック (garden stock)ともいう。原産地は南ヨーロッパである。ストックというのは茎のことで、これは茎が太く丈夫で真っ直ぐに伸びることからつけられた花の名前である。栽培の歴史は古く、古代ギリシャ人やローマ人は薬草として栽培していた。日本へは江戸時代に渡来したとされている。園芸用に生産され始めたのは大正以降のことである。庭植え、鉢植え、切り花などに利用されている。和名は紫羅欄花(アラセイトウ)という。妙な名前だが、葉が厚くて毛に覆われており、ラセイタという布(ポルトガル語で羅紗に似た地の厚い毛織物)に似ていることから転訛したという。種をまく時期によって開花期は異なるが、一般には春の花とされている。俳句の季語も春である。草丈は20センチから80センチくらいである。葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。開花時期は10月から3月くらいである。茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、赤、白、ピンク、紫色などの花をつける。八重咲きと一重咲き(4弁花)とがあり、日本では八重咲きが好まれている。花には強い香りがある。花の後にできる実は角果(雌しべの中にある仕切りを残して左右の殻がはがれるもの)だが、八重咲きのものには生殖能力はない。ブロッコリーやカリフラワーと同じアブラナ科なので食べることもできる。属名の Matthiola はイタリアの植物学者「マッティオリさん(P. A. Mattioli)」の名にちなむ。種小名の incana は「灰白色の柔らかい毛で覆われた」という意味である。写真は3月に京都府立植物園で撮った。品種名は上がホワイトアイアン、下がキスミーチェリーである。学名:Mathiola incana★すくすくと天をめざして八重に咲く ストックの花香りにあふれ☆鈴なりの香りも高いストックに 誘われては春も訪れ今日の花ドットコム花図鑑PR