びらんじ(ビランジ) 夏の花 2011年05月17日 びらんじ(ビランジ)はナデシコ科マンテマ属の多年草である。日本固有種である。本州の関東地方から中部地方にかけて分布し、山地から高山にかけての岩場などに生える。草丈は10~30センチくらいである。茎の上部や萼筒には腺毛(粘着物質を出す毛)が生える。葉は披針形(笹の葉のような形)で、向かい合って生える(対生)。開花時期は6~9月くらいである。茎先に淡い紅色の花を数輪つける。花径は2~3センチくらいである。花弁は5枚で、花弁の先は浅く2つに裂けている。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Silene はギリシャ神話の「シレネス(Silenes、バッカスの養父)」からきている。この属には粘液性の分泌液を出すものが多いので、これを酔って泡だらけになった様子にたとえた。種小名の keiskei は明治初期の植物学者「伊藤圭介さんの」という意味である。変種名の minor は「より小さい」という意味である。写真は5月に小石川植物園で撮った。学名:Silene keiskei var. minor★訪れる人もまばらな岩場には びらんじの花姿やさしく今日の花ドットコム花図鑑PR