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丸葉金鈴花(マルバキンレイカ)

丸葉金鈴花(マルバキンレイカ)

丸葉金鈴花(マルバキンレイカ)はオミナエシ科オミナエシ属の多年草である。
北方領土を含む北海道から本州の新潟県にかけて分布し、山地の斜面や岩場に生える。
草丈は30~70センチくらいである。
葉は幅の広い卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の先は鋭く尖り、縁は羽状に浅く裂けてぎざぎざ(鋸歯)がある。
葉の柄には翼がある。
開花時期は7~8月である。
茎先に集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、黄色い小さな花をたくさんつける。
花径は4~5ミリで、花冠の先は5つに深く裂ける。
花冠のつけ根の部分には半円形の小さな距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)がある。
雄しべは4本で、花冠から突き出る。
雌しべは1本である。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Patrinia はフランスの植物採集家「パトラン(E. L. M. Patrin)さん」の名からきている。
種小名の gibbosa は「瘤のある」という意味である。
写真は9月に北大植物園で撮った。
学名:Patrinia gibbosa


★星屑を散らすがごとく鮮やかに
 あたりを照らす丸葉金鈴花


丸葉金鈴花(マルバキンレイカ)

花図鑑
植物図鑑






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紅花時計草(ベニバナトケイソウ)

紅花時計草(ベニバナトケイソウ)

紅花時計草(ベニバナトケイソウ)はトケイソウ科トケイソウ属の多年草である。
原産地はベネズエラ、ボリビアである。
日本では温室で栽培されるが、沖縄では露地植えされている。
蔓性で他のものに絡まって伸びる。
草丈は3~6メートルくらいになる。
茎や葉には毛が生えている。
葉は長い楕円形で、互い違いに生える(互生)。
葉は肉厚な革質で、縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7~8月だが、温度さえ合えば通年開花をする。
茎先に近い葉の脇から柄を出し、濃い紅色の花を1輪ずつつける。
花は一日花だが、次々と開花する。
花弁が10枚あるように見えるが、花弁5枚と萼片5枚からなる。
真ん中にある鬚のようなものは副花冠である。
副花冠も濃い紅色で、つけ根の部分は白くなっている。
花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
「時計草」の由来は、花の形を時計の文字盤に見立てたものである。
英名はレッドパッションフラワー(red passion flower)である。
この場合のパッションは「受難」を意味する。
花の形をキリストの十字架に見立てたものである。
属名の Passiflora はラテン語の「flor della passione(情熱の花)」からきている。雌しべの柱頭をはりつけにされたキリストにたとえ、放射状の副花冠をキリストの後光にたとえた。
種小名の coccinea は「赤い」という意味である。
写真は7月に水戸市植物公園で撮った。
学名:Passiflora coccinea


★刻むなら深紅の時を刻みたい
 惜しんでみても一夜の命


紅花時計草(ベニバナトケイソウ)

花図鑑
植物図鑑






西洋薄荷(セイヨウハッカ)

西洋薄荷(セイヨウハッカ)

西洋薄荷(セイヨウハッカ)はシソ科ハッカ属の多年草である。
英名のペパーミント(peppermint)のほうが通りがよいかもしれない。
ヨーロッパ原産の帰化植物である。
草丈は30~100センチくらいである。
葉は楕円形ないし卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7~9月である。
淡い紫色の花を穂状につけるか輪生させる。
花冠は唇形で、雄しべ4本と雌しべ1本がある。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。
全草にメントール(menthol)を含む。
属名の Mentha はギリシャ神話に登場するニンフ「メンテ(Menthe)」の名からきている。
種小名の piperita は「コショウ属のような」という意味である。
写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Mentha piperita


★傍に来てペパーミントのこの香り
 楽しんでねと花は囁き


西洋薄荷(セイヨウハッカ)

花図鑑
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サルビア・プラテンシス

サルビア・プラテンシス

サルビア・プラテンシスはシソ科アキギリ属の多年草である。
原産地は地中海沿岸地方である。
英名はメドーセージ(meadow sage)である。
メドーは「草地」を意味する。
日本ではグラニチカ種(Salvia guaranitica)をメドーセージとして流通させてしまったが、本来は異なる。
草丈は60~100センチくらいである。
葉は長い卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の表面はざらつき、縁は波状となる。
開花時期は5~8月くらいである。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、濃い青紫色の唇形をした花をつける。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)である。
属名の Salvia はラテン語の「salvare(治療)」からきている。薬用になるものが多いことから名づけられた。
種小名の pratensis は「草原に生える」という意味である。
写真は5月に東京都薬用植物園で撮った。
学名:Salvia pratensis


★これこそが紛うことなきメドーセージ
 花の蒼さを味わいながら


サルビア・プラテンシス

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四葉鵯(ヨツバヒヨドリ)

四葉鵯(ヨツバヒヨドリ)

四葉鵯(ヨツバヒヨドリ)はキク科フジバカマ属の多年草である。
北海道から本州の近畿地方にかけて分布し、湿った道ばたや林の中に生える。
海外では、サハリンにも分布する。
草丈は1メートルくらいである。
同属の藤袴(フジバカマ)や鵯花(ヒヨドリバナ)と花の形はよく似ているが、葉の特徴で見分けられる。
四葉鵯(ヨツバヒヨドリ)は名の通り4枚の葉が輪生する。
ただし葉の数は3枚だったり5枚だったりする。
葉の形は細長い楕円形である。
これに対して藤袴(フジバカマ)の葉は3裂し、鵯花(ヒヨドリバナ)の葉は裂けずに向かい合って生える(対生)。
開花時期は7~9月である。
キク科の花らしく筒状花が集まって咲く。
花の色は淡い紅紫色である。
筒状花の先は5つに裂け、糸のような花柱(雌しべ)が突き出す。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
属名の Eupatorium は小アジアのポントス王「Eupator」の名にちなむ。この属のある植物を薬用にしたことから名づけられた。
種小名の chinense は「中国の」という意味である。
変種名の sachalinense は「サハリンの」という意味である。
写真は7月に北海道の弟子屈町で撮った。
学名:Eupatorium chinense var. sachalinense


★芳しき蜜の香りはいかばかり
 蝶を集めて四葉鵯


四葉鵯(ヨツバヒヨドリ)

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