シーマニア 秋の花 2011年09月12日 シーマニア(Seemannia)はイワタバコ科グロキシニア属の多年草である。原産地は南アメリカのペルーやボリビアである。半日陰の林の中に生える。日本では秋から冬の鉢物として流通している。シーマニアはかつての属名であるが、今もこの名前で流通している。草丈は30から60センチくらいである。葉は細長い楕円形で、向かい合って生える(対生)。3枚から5枚が輪のようになって生える(輪生)こともある。葉の先は尖り、縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。葉の両面に白い毛が生え、表面は緑色、裏面は淡い黄緑色である。開花時期は10月から1月である。茎先近くの葉の脇から柄を伸ばし、オレンジ色をした鐘状の花を1、2輪ずつつける。花冠の先は星形に5つに小さく反り返る。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Gloxinia はドイツの植物学者「グロキシン(B. P. Gloxin)さん」の名にちなむ。種小名の sylvatica は「森林に生える」という意味である。写真は2月に神奈川県立フラワーセンター大船植物園で撮った。学名:Gloxinia sylvatica★寒い時期目を楽しませるシーマニア 金魚のような姿可愛く花図鑑植物図鑑PR
ステルンベルギア・ルテア 秋の花 2011年09月11日 ステルンベルギア・ルテアはヒガンバナ科キバナタマスダレ属の多年草である。和名は黄花玉簾(キバナタマスダレ)という。地中海沿岸地方から西アジアにかけて分布し、砂礫地に生える。日本へは大正時代に渡来した。草丈は10~20センチくらいである。1つの球根から2~3本の茎を伸ばす。根際から生える葉は線形である。開花時期は9~10月である。茎先に花径3センチくらいの鮮やかな黄色の花をつける。花被片は6枚である。クロッカスに似ているが、クロッカスのように平開はしない。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Sternbergia はオーストリアの植物学者 「シュテルンベルグ(G. K. Sternberg)さん」の名にからきている。種小名の lutea は「黄色の」という意味である。写真は10月につくば植物園で撮った。学名:Sternbergia lutea★玉簾思わすような花姿 黄花が不思議ステルンベルギア花図鑑植物図鑑
西洋松虫草(セイヨウマツムシソウ) 秋の花 2011年09月10日 西洋松虫草(セイヨウマツムシソウ)はマツムシソウ科マツムシソウ属の一年草である。原産地は南ヨーロッパである。日本へは明治時代の初期に渡来した。草丈は30~100センチくらいである。葉は披針形(笹の葉のような形)で、羽状に裂ける。葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)があり、向かい合って生える(対生)。開花時期は5~10月である。花の色は元々は暗い紫色だが、改良が進んで青、ピンク、白、黄色などのものがある。日本原産の松虫草(マツムシソウ)に比べて花弁は短く、中心部の頭状花も周辺の花弁も密で盛り上がっている。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。属名のスカビオサの名でも流通している。属名の Scabiosa はラテン語の「scabiea(疥癬)」からきている。この属の植物に皮膚病に効くものがあることから名づけられた。種小名の atropurpurea は「暗い紫色の」という意味である。写真は7月に軽井沢町植物園で撮った。学名:Scabiosa atropurpurea ★こんもりと花の茂みを見せながら 松虫草は涼しげに咲きにほんブログ村花図鑑植物図鑑
犬サフラン(イヌサフラン) 秋の花 2011年09月09日 犬サフラン(イヌサフラン)はユリ科イヌサフラン属の多年草である。分類体系によってはイヌサフラン科とされる。原産地はヨーロッパ、西アジア、北アフリカである。球根植物で、机の上に置いておくだけでも花を咲かせる。草丈は10~20センチくらいである。花の咲くころには葉はなく、翌春になって線形の葉が出てくる。開花時期は9~10月である。花の色は紅紫色、ピンク、白などである。花被片は6枚である。クロッカスやサフランに似ているが、雄しべの数や形状が異なる。犬サフラン(イヌサフラン)の雄しべは6本である。多弁化した園芸品種もある。和名の由来は、サフランに似ているが食材として役に立たないことからきている(サフランはフランス料理の食材)。一般にはコルチカム(Colchicum)の名で流通している。コルヒチンという痛風治療薬の原料となる。コルヒチンはアルカロイドで、誤食すると呼吸麻痺を起こすこともある。属名の Colchicum は自生地である黒海沿岸の地名「コルキス(Colchis)」からきている。種小名の autumnale は「秋咲きの」という意味である。写真は10月につくば植物園で撮った。学名:Colchicum autumnale★どことなく妖気を秘めて土の上 犬サフランの灯す明かりか☆食べられぬけれど効用あるのよと 犬などつけずコルチカム云い花図鑑植物図鑑
縷紅草(ルコウソウ) 秋の花 2011年09月08日 縷紅草(ルコウソウ)はヒルガオ科サツマイモ属の蔓性多年草である。分類の仕方によってはルコウソウ属とされる。寒さに弱いので、園芸上は一年草として扱われる。原産地は南アメリカである。草丈は40~50センチくらいである。葉は羽状に深く裂け、糸のように細かい。開花時期は8~10月である。細い筒状で先が星状に浅く5つに裂けた真紅の花をつける。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。近縁種に、葉に切れ込みがない丸葉縷紅草(マルバルコウソウ)がある。また、両者が交雑育成されたのが羽衣縷紅草(ハゴロモルコウソウ)である。俳句の季語は夏である。属名の Ipomoea はギリシャ語の「ips(芋虫)+homoios(似た)」からきている。物に絡みついて這い登る性質からから名づけられた。種小名の quamoclit はギリシャ語の「kyamos(豆)+clitos(低い)」からきており、マメのように蔓性で背丈が低いという意味から名づけられた。写真は9月に東京都薬用植物園で撮った。学名:Ipomoea quamoclit★小さくも真っ赤に燃える縷紅草 陽射しに映えるパッションの色花図鑑植物図鑑