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水虎の尾(ミズトラノオ)

水虎の尾(ミズトラノオ)

水虎の尾(ミズトラノオ)はシソ科ミズトラノオ属の多年草である。
本州から九州にかけて分布し、湿地や池沼に生える。
海外では、朝鮮半島にも分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
湿地の減少が原因である。
草丈は30~50センチくらいである。
茎の断面は四角形である。
葉は線形ないし広めの線形で、3~4枚が輪生する。
開花時期は8~10月である。
茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、淡い紅紫色の花をたくさくつける。
花冠は4つに裂ける。
花は下から順につく。
雄しべは4本で花冠から飛び出している。
花糸(雄しべの花粉を入れる袋についている柄)には長い毛がたくさん生える。
花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。
和名の由来は、長い花穂を「虎の尾」に見立てたものである。
属名の Pogostemon はギリシャ語の「pogo(ひげのある)+stemon(雄しべ)」からきている。
種小名 yatabeana は東大にいた植物分類学者「谷田部良吉さんの」という意味である。
写真は9月に大阪市大植物園で撮った。
学名:Pogostemon yatabeana


★湿原を色鮮やかに染め上げて
 水虎の尾は束の間を生き


水虎の尾(ミズトラノオ)

花図鑑
植物図鑑






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三島柴胡(ミシマサイコ)

三島柴胡(ミシマサイコ)

三島柴胡(ミシマサイコ)はセリ科ミシマサイコ属の多年草である。
本州から九州にかけて分布し、山地の草地に生える。
海外では、ユーラシア大陸に広く分布する。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は40~100センチくらいである。
葉は幅の挾い披針形ないし幅の広い線形で、互い違いに生える(互生)。
茎は直立し、中ほどから上で枝分かれして曲がる。
開花時期は8~10月くらいである。
茎先に複数の散形花序(たくさん枝が出て、先に1個つずつ花がつく)を組み合わせて出し、黄色い小さな花が群がってつく。
花の後にできる実は長さ3ミリくらいの楕円形の分果(複数の子房からできた果実)で、褐色に熟する。
根は生薬で柴胡(さいこ)といい、解熱・鎮痛薬とされる。
和名の由来は、静岡県の三島地方が薬草の栽培地であったことからきている。
属名の Bupleurum はギリシャ語の「bous(牡牛)+pleuron(肋骨)」からきている。葉のつき方の様子から名づけられた。
種小名の falcatum は「鎌状の」という意味である。
写真は9月に氷見市海浜植物園で撮った。
学名:Bupleurum falcatum


★繊細な花の姿を見つめれば
 ありがたきかな三島柴胡は


三島柴胡(ミシマサイコ)

花図鑑
植物図鑑






日高見せばや(ヒダカミセバヤ)

日高見せばや(ヒダカミセバヤ)

日高見せばや(ヒダカミセバヤ)はベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属の多年草である。
北海道の固有種である。
日高、十勝、釧路地方の海岸岸壁やアポイ岳の上部などに分布し、高山に生える。
「見せばや」は「見せたい」を意味する古語である。
この花の美しさを「誰に見せようか」という意味になる。
日高地方で発見された「見せばや」というのが名の由来である。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は10~15センチくらいである。
地下茎を這うようにして伸ばし、茎は斜上し垂れ下がる。
葉は扁平で多肉質である。
葉の形は卵形で短い柄があり、縁には波状のぎざぎざ(鋸歯)が少しある。
葉は青白い緑色に少し紅紫色を帯び、向かい合って生える(対生)。
開花時期は8~10月である。
紅紫色の小さな花が球形になって咲く。
花びらは5枚で披針形をしており、星を散りばめたように見える。
花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。
属名の Hylotelephium はギリシャ語の「hyle(森)+telephion( ベンケイソウ)」からきている。この属の植物が森にも生えることから名づけられた。
種小名の cauticolum は「割れ目に生える」という意味である。
写真は10月に川口市立グリーンセンターの山野草展で撮った。
学名:Hylotelephium cauticolum


★ぽってりと色青白い葉の先に
 日高見せばや花を散りばめ


日高見せばや(ヒダカミセバヤ)

花図鑑
植物図鑑






青花藤袴(アオバナフジバカマ)

青花藤袴(アオバナフジバカマ)

青花藤袴(アオバナフジバカマ)はキク科コノクリニウム属の多年草である。
以前はヒヨドリバナ属(ユーパトリウム属)に分類されていた。
このためユーパトリウムの名でも流通している。
また、学名のコノクリニウム・コエレスティウムで表示するものもある。
原産地は北アメリカや西インド諸島で、川沿いや湿った草地に生える。
草丈は40~80センチくらいである。
地下茎を伸ばして増える。
葉は三角状の卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は7~10月である。
よく枝分かれをし、茎先にアゲラタムに似た青紫色の花(頭花)を散房状(柄のある花がたくさんつき、下部の花ほど柄が長いので花序の上部がほぼ平らになる)にたくさんつける。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
英名はミストフラワー(mistflower)である。
洋種藤袴(ヨウシュフジバカマ)の名も用いられている。
属名の Conoclinium はギリシャ語の「konos(円錐形の)+klinion(小さなベッド)」からきている。
種小名の coelestinum は「青色の」という意味である。
写真は9月に埼玉県三郷市で撮った。
学名:Conoclinium coelestinum


★爽やかなブルー際立つ藤袴
 彼方の国は瞳も青く


青花藤袴(アオバナフジバカマ)

花図鑑
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蝦夷蓬菊(エゾヨモギギク)

蝦夷蓬菊(エゾヨモギギク)

蝦夷蓬菊(エゾヨモギギク)はキク科ヨモギギク属の多年草である。
北海道に分布し、海岸沿いに生える。
海外では、朝鮮半島、中国、シベリアなどにも分布する。
分類上は、ヨーロッパ原産の蓬菊(ヨモギギク)の変種とされている。
両者を区別しない見解もある。
環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。
草丈は50~100センチくらいである。
葉は羽状に深く切れ込み、互い違いに生える(互生)。
葉の縁にはぎざぎざ(鋸歯)がある。
開花時期は8~9月くらいである。
花径1センチくらいの筒状花だけからなる黄色い花(頭花)をたくさんつける。
花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。
別名を蝦夷の蓬菊(エゾノヨモギギク)ともいう。
属名の Tanacetum はラテン語の「tanazita(不死)」からきている。
種小名の vulgare は「普通の」という意味である。
変種名の boreale は「北方系の」という意味である。
写真は10月につくば植物園で撮った。
学名:Tanacetum vulgare var. boreale


★めずらしい花の姿できらきらと
 輝き放つ蝦夷蓬菊


蝦夷蓬菊(エゾヨモギギク)

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