秋唐松(アキカラマツ) 秋の花 2012年09月02日 秋唐松(アキカラマツ)はキンポウゲ科カラマツソウ属の多年草である。北海道から九州にかけて分布し、山野の草地や道端に自える。海外では、朝鮮半島や中国にも分布している。漢字では「秋落葉松」とも書く。草丈は70~150センチくらいである。茎の上部でよく枝分かれをする。葉は2~4回3出複葉である。3出複葉というのは、1枚の葉が3つの小さな葉に分かれた形のことである。何回か枝分かれをして3枚ずつ小葉をつけた全体が1枚の葉となる。小葉は円形ないし楕円形で、先が浅く3つから5つに裂ける。葉の裏面は白味を帯びる。開花時期は7~9月である。茎先に円錐花序(枝分かれして全体が円錐状に見える)を出し、淡い黄色の小さな花をつける。花弁のように見える萼は3~4枚あるが、早くに落ちる。後は雄しべと雌しべだけの花となる。雄しべが長く飛び出し、黄色く見えるのは雄しべの葯である。花の後にできる実は楕円球状のそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。和名の由来は、花の姿を唐松(カラマツ)に見立て、咲く時期が遅いことからきたものである。近縁種の唐松草(カラマツソウ)に似ているが、花の色で区別ができる。属名の Thalictrum はギリシャ語のthaliktron(葉が枝分かれをする植物の名)からきている。ローマ時代の医師ディオコリデス(Dioscorides)によってカラマツソウ属の名に充てられた。種小名の minus は「より小さい」という意味である。変種名の hypoleucum は「裏面が白い」という意味である。写真は8月に箱根湿生花園で撮った。学名:Thalictrum minus var. hypoleucum★柔らかな萌えるがごとき花の色 秋落葉松は静けさの中☆秋風を楽しむように揺れながら 秋唐松は夕日を浴びて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|PR
アポイ鳥兜(アポイトリカブト) 夏の花 2012年09月01日 アポイ鳥兜(アポイトリカブト)はキンポウゲ科トリカブト属の多年草である。北海道の固有種である。日高山脈にのみ分布し、かんらん岩や蛇紋岩地帯などの高山の草地に生える。アポイ岳、札内岳、戸蔦別岳などに生育している。別名を日高鳥兜(ヒダカトリカブト)ともいう。このほうが一般的な名称のようであるが、北大植物園のラベルは「アポイ」であった。蝦夷細葉鳥兜(エゾホソバトリカブト)の近縁種である。草丈は30~90センチくらいである。茎の上部には曲がった毛が生えるのが本種の特徴である。葉は3つに裂け、小葉が更に2つに深く裂ける。開花時期は8~9月である。青紫色の花びらのように見えるのは萼片で、5枚ある。本当の花弁は萼片の内側に2枚ある。雄しべはたくさんあり、雌しべは3本から5本くらいある。雄しべにも雌しべにも毛がないことが本種の特徴である。花の後にできる実は袋果(熟すと果皮が自然に裂けて種子を放出する)である。全草にアルカロイドのアコチニンなどを含み有毒である。属名の Aconitum はギリシャ語の「akon(投げやり)」からきている。種小名の apoiense は「アポイ岳の」という意味である。写真は9月に北大植物園で撮った。学名:Aconitum apoiense★薄っすらと色づく青が冴え渡る 高山の花アポイ鳥兜花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
沖縄姫菜切り(オキナワヒメナキリ) 秋の花 2012年08月31日 沖縄姫菜切り(オキナワヒメナキリ)はカヤツリグサ科スゲ属の多年草である。沖縄の固有種である。沖縄本島、石垣島、西表島に分布し、山地の渓流沿いの岩上に生える。別名を沖縄姫菜切り萱(オキナワヒメナキリスゲ)という。分類上は神宮萱(ジングウスゲ)の地域変種とされている。神宮萱(ジングウスゲ)は別名を姫菜切り萱(ヒメナキリスゲ)という。環境省のレッドデータブックでは、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧(NT)に登録されている。草丈は40~60センチくらいである。葉は線形である。葉の質は硬く、長さが35~50センチくらいある。つけ根の部分の鞘は濃い褐色をした繊維状となる。開花時期は8~9月である。小穂は長い楕円状の円柱形である。和名は、沖縄に分布して小形であり、葉がざらついて菜っ葉が切れるほどだというところからきている。花の後にできる実は小堅果(皮が堅く、種と接触せずに種を包んでいる果実)である。属名の Carex はギリシャ語の「keirein(切る)」からきている。葉が鋭いことから名づけられた。種小名の sacrosancta は「神聖な場所の」という意味である。変種名の tamakii は植物学者「玉城松栄さんの」という意味である。写真は8月につくば植物園で撮った。学名:Carex sacrosancta var. tamakii★目立たぬが菅の仲間も面白い 地域に応じ姿を変えて花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
エリカ・バガンス 秋の花 2012年08月30日 エリカ・バガンスはツツジ科エリカ属の常緑小低木である。種小名の読み方は「ヴァカンス」や「ワガンス」とするものもある。原産地はイギリスである。一般名はコーニッシュ・ヒース(Cornish heath)である。コーニッシュは「イギリスのコーンウォール地方の」という意味である。樹高は30~80センチくらいである。葉は針形で、互い違いに生える(互生)。開花時期は8~10月くらいである。葉の脇に2輪ずつ小さな鐘形の花をつける。花の色は白や桃色のものがある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Erica はギリシャ語の「erion(軟毛)」からきている。全体に軟毛が生える種類の多いことから名づけられた。種小名の vagans は「広がった、変化した」という意味である。写真はミセスD・F・マクスウェル(Mrs. D. F. Maxwell)という園芸品種である。写真は6月に小石川植物園で撮った。学名:Erica vagans★エリカにいろんな種類あるんだね 背丈の低いこれはバガンス花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|
蝦夷刺草(エゾイラクサ) 夏の花 2012年08月29日 蝦夷刺草(エゾイラクサ)はイラクサ科イラクサ属の多年草である。北方領土を含む北海道から本州の岡山県にかけて分布し、山地の林の中や沢沿いの湿地に生える。海外では、シベリア、カムチャツカ、サハリンなどにも分布する。草丈は50~180センチくらいである。茎は赤味を帯び、角張っていて、棘状の毛が下向きに生える。葉は卵形で、2枚ずつ向かい合って生える(対生)。縁には粗いぎざぎざ(鋸歯)がある。葉も棘状の毛で覆われ、触ると痛い。開花時期は7~9月である。雌雄異株(ときに同株)である。花の色は緑色である。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。若芽は山菜として食べることができる。アイヌの人びとは、茎から繊維を取り出して糸をつくり、織物の材料とした。属名の Urtica はラテン語の「uro(ちくちくする)」からきている。種小名の platyphylla は「広い葉の」という意味である。写真は9月に北大植物園で撮った。学名:Urtica platyphylla★役に立つ草だったんだ刺草は 薬にもなり糸にもなって花図鑑植物図鑑|味の麺匠戸田久|おこめの鬼平|フロム蔵王|花の本屋さん|楽天トラベル|