水虎の尾(ミズトラノオ) 秋の花 2011年09月19日 水虎の尾(ミズトラノオ)はシソ科ミズトラノオ属の多年草である。本州から九州にかけて分布し、湿地や池沼に生える。海外では、朝鮮半島にも分布する。環境省のレッドリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。湿地の減少が原因である。草丈は30~50センチくらいである。茎の断面は四角形である。葉は線形ないし広めの線形で、3~4枚が輪生する。開花時期は8~10月である。茎先に総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、淡い紅紫色の花をたくさくつける。花冠は4つに裂ける。花は下から順につく。雄しべは4本で花冠から飛び出している。花糸(雄しべの花粉を入れる袋についている柄)には長い毛がたくさん生える。花の後にできる実は分果(複数の子房からできた果実)で、4つのブロックからなる。和名の由来は、長い花穂を「虎の尾」に見立てたものである。属名の Pogostemon はギリシャ語の「pogo(ひげのある)+stemon(雄しべ)」からきている。種小名 yatabeana は東大にいた植物分類学者「谷田部良吉さんの」という意味である。写真は9月に大阪市大植物園で撮った。学名:Pogostemon yatabeana★湿原を色鮮やかに染め上げて 水虎の尾は束の間を生き花図鑑植物図鑑PR