岩沙参(イワシャジン) 秋の花 2011年09月03日 岩沙参(イワシャジン)はキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草である。日本固有種で、フォッサマグナ要素の植物である。本州の関東地方から中部地方にかけて分布し、山地の湿った岩場に生える。草丈は30~70センチくらいである。根際から生える葉は卵形である。茎につく葉は細い披針形で、互い違いに生える(互生)。葉の縁には鈍いぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は9~10月である。鐘形をした紫色の花が多数垂れ下がる。花冠の先は浅く5つに裂ける。花径は15ミリから25ミリくらいである。萼片は5枚、雄しべは5本である。花の色は白いものもある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。沙参(シャジン)というのは釣鐘人参(ツリガネニンジン)のことである。和名の由来は、岩場に生える釣鐘人参(ツリガネニンジン)の仲間というところからきている。属名の Adenophora はギリシャ語の「adenos(腺)+phoreo(有する)」からきている。植物体全体に乳液を出す腺細胞があることから名づけられた。種小名の takedae は高山植物の研究家「武田久吉さんの」という意味である。写真は10月に芦ノ湖野草園で撮った。学名:Adenophora takedae★ひっそりと俯きながら花つける 岩沙参は日本の生まれ花図鑑植物図鑑PR