紅花(ベニバナ) 夏の花 2011年07月24日 紅花(ベニバナ)はキク科ベニバナ属の越年草である。原産地はアラビアないしエジプト付近と考えられている。日本へは奈良時代にシルクロ-ドを経て渡来し、末摘花(スエツムハナ)と呼ばれた。「末摘花」は源氏物語に登場する女性の名にもある。草丈は1メートルくらいである。葉は幅の広い披針形で、互い違いに生える(互生)。葉の質は硬くて先は尖り、縁には棘がある。開花時期は6~8月である。茎先につく花は、大きな総苞片(花序全体を包む葉の変形したもの)のあるアザミに似た頭花で、筒状花だけからなる。花の色は最初は黄色で、後に紅色に変わる。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。日本では江戸時代までは高級染料として盛んに栽培されたが、化学染料の出現によって栽培は衰退した。現在は山形県などで試作されている程度である。種子からリノール酸を含む良質の油が採れるので、今では食用油としての需要が多く、アメリカなどから輸入されている。英名はサッフラワ-(safflower)である。山形県の県花になっている。俳句では「紅の花」が夏の季語である。属名の Carthamus はアラビア語の「quartom(染める)」からきている。紅花(ベニバナ)から紅を採ることから名づけられた。種小名の tinctorius は「染色用の」という意味である。写真は8月に山形市野草園で撮った。学名:Carthamus tinctorius★お待たせとやっと目覚めて咲き初めし 紅花愉し色づき待てば花図鑑植物図鑑PR