稚児車(チングルマ) 夏の花 2011年08月15日 稚児車(チングルマ)はバラ科チングルマ属の落葉小低木である。北方領土を含む北海道から中部地方以北の本州にかけて分布し、高山の草地や湿地に生える。海外では、千島列島、カムチャツカ半島、アリューシャン列島などにも分布する。和名の由来は、花の後にできる長い毛を持った集合果を稚児車(チゴグルマ=子どもの玩具の風車)に見立てたものが訛ったというのが定説である。樹高は10センチくらいである。枝は地面を這って群落を形成する。葉は羽状をした奇数の複葉で、小葉7枚で1組になる。互い違いに生える。小葉は光沢のある楕円形で長い柄があり、周りには鋭いぎざぎざの鋸歯がある。開花時期は6~8月である。花は枝先に花径25ミリくらいの白い花を1個上向きにつける。色の色は白く、花びらは5枚である。中央部は黄色で、たくさんの雌しべと雄しべがある。花の後にできる実はそう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見えるもの)である。雄しべのうちの花柱と呼ばれる部分が羽毛のように伸びて放射状に広がる。秋には葉が赤く紅葉する。属名の Sieversia はドイツの植物学者「シーバーズ(J. Sievers)さん」の名からきている。種小名の pentapetala は「5弁花の」という意味である。写真は7月に中央アルプスの千畳敷カールで撮った。実の写真は7月に八幡平で撮った。学名:Sieversia pentapetala★心地よい響き優しい稚児車 深山の草地彩り咲くや花図鑑植物図鑑PR