小阿仁千鳥(コアニチドリ) 夏の花 2011年07月22日 小阿仁千鳥(コアニチドリ)はラン科ヒナラン属の多年草である。日本固有種である。北方領土を含む北海道から本州の関東地方にかけて分布し、湿原や岸壁に生える着生種である。和名の由来は、発見地の北秋田市阿仁地区(旧上小阿仁村)に因む。環境省のレッドデータリスト(2007)では、「絶滅の危険が増大している種」である絶滅危惧II類(VU)に登録されている。草丈は10センチから20センチくらいである。葉は幅の広い線形で、茎の中部に1、2枚つく。開花時期は6月から7月である。花径7ミリから8ミリの白い小さな花を2輪から5輪くらいつける。唇弁は深く3つに裂け、真ん中の裂片は少しへこむ。つけ根の部分に紅紫色の斑紋が2列に並ぶ。短い距(花冠のつけ根が後ろに飛び出たもの)がある。属名の Amitostigma はギリシャ語の「a(否定)+Mitostigma(属名)」からきている。古くMitostigmaといったが、以前に同一名があり観察が誤っていたので、否定の言葉を付け足した。種小名の kinoshitae は発見者「木下友三郎さんの」という意味である。写真は7月に北大植物園で撮った。学名:Amitostigma kinoshitae★外国の花かと思えばさにあらず 理解しにくい片仮名ことば花図鑑植物図鑑PR