小倉仙翁(オグラセンノウ) 夏の花 2011年09月01日 小倉仙翁(オグラセンノウ)はナデシコ科センノウ属の多年草である。熊本県の阿蘇で採集された標本に基づき、牧野富太郎博士が新種として記載した。分布域は熊本県阿蘇地方と岡山県北西部から広島県の北東部にかけてで、湿原に生える。海外では、朝鮮半島にも分布する。環境省のレッドリスト(2007)では、「IA類ほどではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い種」である絶滅危惧IB類(EN)に登録されている。草丈は70~100センチくらいである。茎が細いので、他の植物に寄り添う形で生える。葉は平たくて細長い線形で、向かい合って生える(対生)。開花時期は6~8月である。花の色は紅色で、花びらは5枚である。花びらの縁がギザギザに深く裂けており、形は撫子(ナデシコ)に似ている。花の下には筒形の萼がある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。属名の Lychnis はギリシャ語の「lychnos(ランプ)」からきている。アリストテレスの弟子のテオフラストスが用いた。種小名の kiusiana は「九州の」という意味である。写真は7月に箱根湿生花園で撮った。学名:Lychnis kiusiana ★ギザギザに裂けた花びらぷるぷると 震わせて咲く小倉仙翁花図鑑植物図鑑PR