大花の姫沙参(オオバナノヒメシャジン) 夏の花 2011年08月31日 姫沙参(ヒメシャジン)はキキョウ科ツリガネニンジン属の多年草である。日本固有種である。本州の東北地方南部から中部地方にかけて分布し、高山の砂礫地や岩場に生える。このうち群馬県の本白根山の特産で、花冠の長さが3センチくらいある大輪のものがある。これを大花の姫沙参(オオバナノヒメシャジン)として区別する考え方がある。草丈は10~40センチくらいである。茎は細くて、多くは毛がない。葉は披針形(笹の葉のような形)で、多くは互い違いに生える(互生)。開花時期は7~9月である。釣鐘状の青紫色の花を下向きに1~10輪くらいつける。花柱(雌しべ)は花冠と同じくらいの長さかやや長い。萼片は細い線形で疎らにぎざぎざ(鋸歯)がある。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。変種の深山沙参(ミヤマシャジン)はよく似ているが、花柱(雌しべ)が突き出し萼片にぎざぎざがないことで見分ける。「沙参」は釣鐘人参(ツリガネニンジン)のことで、「姫」は小さいことを指す。属名の Adenophora はギリシャ語の「adenos(腺)+phoreo(有する)」からきている。植物体全体に乳液を出す腺細胞があることから名づけられた。種小名の nikoensis は「日光の」という意味である。品種名の macrocalyx は「大きな萼の」という意味である。写真は8月に志賀高原の東館山高山植物園で撮った。学名:Adenophora nikoensis f. macrocalyx★名づけ方どこか変だと思うけど 想像できる変異の多さ花図鑑植物図鑑PR