大姥百合(オオウバユリ) 夏の花 2011年08月17日 大姥百合(オオウバユリ)はユリ科ウバユリ属の多年草である。北方領土を含む北海道から本州の中部地方にかけて分布し、山地のやや湿った林の中や草地に生える。海外では、サハリンにも分布する。近縁種の姥百合(ウバユリ)よりも大形で、花序につく花の数も多い。草丈は150~200センチくらいになる。葉の形は円形ないし心形である。葉は根際から生え、茎に下部にも少しつく。葉には長い柄があり、先は丸くつけ根の部分は心形である。開花時期は7~8月である。クリーム色をした長さ10~15センチの花が、10~20輪くらいつく。花のつき方は総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)で、下のほうから順に咲く。花びら(花被片)は内側と外側に3枚ずつあり、茎に対して直角につく。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。和名の由来は、花の咲く時期に葉が枯れているのを「歯がない=姥」にかけたものである。かつてアイヌの人びとはこの鱗茎からでんぷんを取って貴重な保存食にしたという。芽生えてから花が咲くようになるまで数年かかり、一回咲くと鱗茎は枯れる。属名の Cardiocrinum はギリシャ語の「cardia(心臓)+crinon(ユリ)」からきている。花はユリに似ているが葉は特徴のある心臓形であることから名づけられた。種小名の cordatum「心臓形の」という意味である。変種名の glehnii はサハリンの植物採集家「グレーンさんの」という意味である。写真は8月に奥日光で撮った。学名:Cardiocrinum cordatum var. glehnii★にょっきりと花茎立てて咲き出る 大姥百合はわが道を行き花図鑑植物図鑑PR