四手沙参(シデシャジン) 夏の花 2011年08月21日 四手沙参(シデシャジン)はキキョウ科シデシャジン属の多年草である。本州と九州に分布し、山地に生える。海外では、朝鮮半島、中国東北部などにも分布する。草丈は50~100センチくらいである。葉は長い卵形で、互い違いに生える(互生)。葉の先は尖り、縁には不規則なぎざぎざ(鋸歯)がある。開花時期は6~8月である。茎先や葉の脇から総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、青紫色の花をつける。花冠は長さ2センチくらいで、細く5つに裂けて反り返る。雄しべは5本である。雌しべの花柱が長く突き出し、柱頭が3つに裂ける。花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。「四手」というのは「玉串や注連縄(しめなわ)などに下げる紙」のことである。「沙参」は釣鐘人参(ツリガネニンジン)の中国名である。青紫色の花が後ろに反り返った独特の形から四手(シデ)を連想したものといわれる。属名の Asyneuma はギリシャ語の「a(否定)+syn(共に)+aeuma(Phyteuma属の略)」からきている。タマシャジン属とは異なったという意味になる。種小名の japonicum は「日本の」という意味である。写真は8月に日光植物園で撮った。学名:Asyneuma japonicum★造形の不思議を見せる花姿 四手沙参咲く野は深くしてPR